ご挨拶
本研究室の主研究課題は「高次元材料組織情報学」です。
そこでは材料組織を高次元(時間軸を含む)で解析する解明型研究と、得られた全情報を統合し組織や特性を推定する材料情報統合型研究の両方を進めています。
解明型研究では、材料組織の形成機構や特性発現機構を、最新の計量形態学や各種顕微鏡、デジタル画像相関法、EBSD-Willkinson法、2圧子インデンテーション法、三次元顕微鏡(FIB-SEM-EBSD,
Genus_3D)を活用して解明する研究を進めています。中性子線や放射光による信頼ある平均情報を取得している研究グループとも密接に連携しています。材料組織を高次元で評価するにあたっては、位相幾何学、微分幾何学の解析手法を取り入れています。最近数学の分野で注目されているパーシステントホモロジー群も材料組織評価に大変有意義で注目しています。
一方、材料情報統合型研究では、材料組織を高次元で定量解析した結果をもとに、その情報を機械学習やモデリングに入力して、プロセス➡組織➡特性の関係の順問題を精緻に推定する研究を進めるとともに、特性➡組織➡プロセスの逆問題の解析にも注目しています。そこでは、畳み込みニューラルネットワークを使ったディープラーニングによる材料組織自動認識、機械学習型画像処理による材料組織抽出、たくさんある材料特徴値(材料ゲノム)の中から本質的に特性に重要な因子(記述子)を選択するlassoやベイズ推定などのスパース学習、材料組織の記述子から特性を高精度で推定するニューラルネットワーク(ANN)やサポートベクターマシン(SVM)、ベイズ的最適化あるいは遺伝的アルゴリズムによる大規模計算による逆解析といった研究を行っています。
同時に、全自動三次元顕微鏡(Genus_3D)の開発、機械学習型材料情報統合システム(MIPHA)の開発も併せて行っており、革新的に材料開発スピードを高めるための材料工学の在り方について我々ながらに考えながら研究・開発を進めています。
本研究室が理想とする人材は、材料工学の次世代分野を真摯に考え体系的に構築する高い志を持った学生および共同研究者です。将来の大きな果実の拾得を目指して、ともに真摯に、そしてわくわくとした気持ちで高い頂の研究に挑戦しましょう。
教育方針は、山本五十六氏(26、27代連合艦隊司令長官)の「やってみせて」を実践します。
「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
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