「熱」を自在に操るための材料探索(省エネルギー変換材料)
高熱伝導セラミクスAlNを溶液法で作製する
多結晶AlN基板は、熱伝導が非常に高いセラミクスで、電子デバイスなどの熱を制御するための絶縁放熱材料として注目されています。現在、多結晶AlNは焼結法によって作製されていますが、
我々のグループでは、溶液成長法によって、より稠密で低コストに作製することを目指して研究を行っています。
(図は、溶液法により試作したAlNセラミクス。)
気相のMgを供給するのがポイントだった
この方法では、Al融液に窒素ガスを供給することでAlNの形成を行います。しかし、そのままでは反応があまり進行しません。我々は、Mgの気相を窒素ガスと同時に供給することで窒化を促進することを明らかにしました。
これにより、バルク状のAlNの作製に成功しました。現在は、さらなる高密度化を目指した研究を行っています。
(図はMg-窒素同時供給が可能なAlN作製炉のアウトライン)
熱をもっと自由自在に制御することを目指す!
我々のグループでは、さらに積極的に熱エネルギーを制御するための材料の開発を目指しています。熱エネルギーの流れを自由に制御できる材料があれば、電気エネルギーなどへの変換なしに、熱を利用することができます。
このようにエネルギー変換をなくすことができれば、劇的にエネルギーの有効利用を推進することができる「はず」です。現在、結晶構造の変化を利用した熱伝導率可変材料を開発を目指しています。
(図は、候補材料の酸化物構造)
実験装置とメンバー

AlN作製装置1

AlN作製装置2

メンバー